シリコンバレーの起業家インタビュー
「外村 仁」氏 編

Part2『SVJEN(シリコンバレー日本人起業家ネットワーク)について』

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【1】外村さんは、SVJEN(※2)を立ち上げられましたが、思い立ったきっかけは何ですか?

 私が1人で立ち上げたのではなく、同じ気持ちだった日本人有志のみんなで立ち上げました。これから来る日本人の方になるべく楽な環境を提供出来ればと考えています。少なくとも先人の犯した過ちを繰り返さないように情報を共有しなければ、というのがSVJENのスタートなんです。私がこちらで起業をした際には、誰も助けてくれる人がいませんでした。新しい会社で弁護士、会計士など周りの環境が全てアメリカ文化と英語で大変でした。後で同じ日本人の起業家に話を聞くと、みな同じ様な経験をしていました。将来的にもっとSVJENの力がつけば、もっとプロアクテブにメンタリングを提供するとか、良いベンチャーキャピタリスト(※4)や弁護士を紹介したりする事も出来ます。SVJENを始める前は誰がどこにいたのかも分かりませんでしたから、情報を共有するという事も出来ませんでした。

【2】アメリカで、またシリコンバレーで働く上で必要な基本スキルは、どのようなものがありますか?

 それはルリ子さん、その物です(笑)(※5)。ダメもとで、まずはやってみるという事が大切です。多分その前にあるのは、イメージトレーニングだと思います。気づかずにやっていると思いますが、アイデアが出たと思うんです。例えばアップルストアでマイク君が演奏しているのが見えたでしょう(※現在、弊社イングリッシュビタミンはアップルストアでコンサートを開催しようと動いています)。いかに自分のパワーを自分自身の中から出せるかが大切です。出来ると自分で信じるには映像化が大切です。日本人にこんな話をすると、「なんだ、こいつは。思い込みが激しい」とか、「勝手に突っ走る」とか、「出来もしない事を言って」などと、残念ながら馬鹿にされる事もありますよね。出来ないと思ったら何も出来ないわけです。でも自分で出来ると思えば出来る事も多いのです。そういった意味でポジティブシンキングは大切です。信じるためには映像化が必要です。この後に、それを行動に持って行けるか行けないか、そこでかなりの分かれ道があると思います。人間のパワーというのは果てしない物があります。失敗した時は、その時考えるとして成功すると思った過程で動くことが大切です。特にアメリカでは得をします。アメリカでは自分で思って行動する、そして自分の思いを話すことが重要なのです。ある意味では誰でも出来ることです。自分の周りに成功例がないだけなのです。海外旅行に初めて行く時もそうです。初めは色々な事、例えばトラベラーズチェックの事なんかのことも物凄く心配するものです。でも、一度行けば、たいしたことないって分かりますよね?でも、行く前はとっても心配だったはずです。

【3】多くの日本人がアメリカで働くことを夢みています。どうすればその夢は叶いますか?メッセージをお願いします。

 是非、働くだけではなくもっと大成功するために、是非起業して下さい。日本の起業家というのは、アメリカのように社会構造や経済を変えるほどの変化や大成功例は、なかなかありません。楽天とか少しはあるかも知れませんが、こちらのITやバイオの会社の様に世の中を変えるような動きはありません。シリコンバレーでも日本でもかまわないのですが、もっと多くの日本人がアメリカの起業家が成功するレベルで、成功して欲しいと思っています。環境という意味では、たぶん今は日本よりシリコンバレーの方がやり易いと思います。ですから、そういった意味で、シリコンバレーは仮腹だと思って使えば良いと思います。成功したら日本でやっても、こちらででも構わないのです。起業に適した環境を考えたら良いのです。

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2005年4月15日更新

外村 仁 プロフィール

現在は、generic media(※1)に続いて起業した会社First Compass Group の General Partner。現在、ハイテクやバイオのいくつかの分野でコンサル活動を行うと同時に、新製品の研究開発も同時進行中。内容は、まだステルスモードなので話せないそう。
またシリコンバレーの日本人起業家同士がお互いを助け合うことを目的として2002年に発足されたSVJEN(※2)でも活躍中。

日本では、東京大学工学部卒業後、ベイン・アンド・カンパニーという米国の4大コンサルティング会社の一つに就職。コンサルタントとして経験を積んだ後、実務的な仕事を求め、アップル社への転職。

アップルコンピューター株式会社では、ビジネスデベロップメントおよびマーケティングの職を歴任。後年はマーケティング本部副本部長として、新規市場開発、マーケティングコミュニケーション、Mac OS プロダクトマーケティングなどを担当した。藤井フミヤや筒井康隆を起用した一連のCM・プロモーションでは、日経広告大賞を受賞。

東京大学工学部卒
IMD(※3)でMBA取得


語句解説

※1: generic media
2000年春、アメリカ人と香港人のエンジニアとともに、革新的なストリーミング配信の技術とサービスを構築すべくGeneric Mediaを創業。同年夏には、Mobius Venture Capital、Sony、NTTリース社から併せて$12Mの資金を調達し、翌年2月のDemoにて、Generic Media Publishing Service (GMPS)を発表。フォーマットや帯域幅を問わずダイナミックに動画を変換して配信する世界初のシステムで一躍注目を浴びた。

※2: SVJEN
Silicon Valley Japanese Entrepreneur Network(シリコンバレー日本人起業家ネットワーク)。くわしくはSVJENのサイトをご覧下さい。

※3: IMD
スイスのローザンヌに位置する世界的なビジネススクール

※4: ベンチャーキャピタリスト
キャピタルゲイン益を得るために、ベンチャー企業に資金を供給する投資家。ベンチャー企業経営にも大きな影響力を持つ場合が多い。

※5: 八巻ルリ子
English Vitamin Inc. 代表。今回のインタビュアー。詳しいプロフィールはこちら


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